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【シャーマニズム】台湾のシャーマン(童乩・タンキー)と私:第十章

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※左營慈済宮。主祭神は保生大帝。

保生大帝は581年(随)頃に生まれた

孫思襞という人物で医学の偉人の1人。

その著作「千金翼方」は遣唐使によって

我が国へもたらされている。

 

お正月に飲む、お屠蘇はこの孫思襞に由来します。

中華文化圏では保生大帝と呼び医神として祀っているのです。

実在の人物が後世神として祀られている例としては、

他に関公(関羽)や媽祖(林默娘)などがあります。

 

保生大帝と東醫寶鑑について以前書いた記事はこちら。

ameblo.jp

 

高雄を訪れる日本人が増えた事は嬉しいのですが、

蓮池潭や左營慈済宮を訪れる日本人の

マナーの悪さを耳にしています。

とても悲しい気持ちになります。

 

 

さて、タンキーシリーズも第十章まで来ました。

・・・・長いですねー!!

「もう飽きた」という皆さんの声が聞こえそうです。

しかも、今の私と違い、まあ、ウジウジ暗いですし。

でも、そういう時を過ぎて、今の私があります。

もう少しだけおつきあいいただけたら有難く思います。

(次回から前フリ文も無しにしようかしら)

 

台湾のシャーマン(童乩・タンキー)と私:第十章

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※左營慈済宮の入り口の彫り物。

この表情!なんて愛らしいんでしょうね!

 

私があんなにも疲れてしまった訳を語るには、

話を初めて正義宮を訪れた時に戻さねばならない。

 

  

今回、Tさんとともに桃園空港へと降り立ち、

ホテルにたどり着いたのはもう深夜の事だった。

道を挟んだ目の前にある廟は夜更けにもかかわらず、

竜宮城もかくやのごとき光彩を放って、

その存在感をアピールしていた。

何も知らないでここへ来ても、

あれは何か地元の宗教の建物だとわかっただろう。

 

その廟に限らずとも、

台北に来て、廟を一度目にすれば、

特徴的な装飾物に彩られた姿は覚えられる。

 

だが、実際に見たことがないという方の為に

蛇足ながら説明をしよう。

廟によって多少の違いはあれども、
赤 青 黄色 緑に 金色とさまざまに塗り分けられた

七色の龍が屋根の上にわんさかと乗っかっている。

近づけば、柱に壁にみっちりと龍は勿論、

朱雀に獅子に門神像にetc etc・・・

もはやひとつのオブジェにも見えるような建物だ。

もし、似たような建物が日本にあったなら、

「珍百景」に選ばれていることだろう。

(実際そのような喫茶店が選ばれていたりする)


日本のお寺や神社を形容するような、

「わび」だの「さび」だの・・

シックという言葉のかけらも微塵もありはしない。


賑やかでなんぼ!中華のゴシックでなんぼ!

とでもいった様子なのだ。

いや、どれだけ丁寧に細かく装飾できるかで、

神への尊敬を表わしているとでも言う事なのだろうか。

 

いづれにせよどこを車で走らせようとも

(あ!あそこにも廟がある!こっちにも!)と、

遠めにでも必ずわかる賑やかさなのだ。

間違っても他の何かに見間違うなどはありえない。

 

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※ハヌルの高雄開運ツアーの様子。

これでもこの廟は特別派手なわけではない。



ところが。

この「正義宮」はとても簡素な宮だった。

 

周りに明かりが殆どない住宅街の中で

ぽつんと明かりを放っていたそれは、

それまで私が見た事のある廟とはまるで違っていた。

ぱっと見た限りではそのような飾り物はひとつもない。

暗い夜道の中で私には本当に

単なる商店にしか見えていなかった。

 

 

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正義宮。昼間なのでかなりわかりやすいが夜は全然目立たない。

この地味加減、上の天后宮と比較していただきたい。

 


もしこの前を車で通り過ぎたら・・・

いや歩いていても、ここに目的の廟があると知らなければ、

私のように気が付かずに通り過ぎかけてしまうに違いない。

立ち止まりその 奥を覗けば、そこには壇が設けられてあり、

さらに奥には長年の線香の煙で燻されて、

真っ黒になった神像が立ち並んでいるので

ああ ここは確かに廟なのだと分かるのだけれど・・・。

 

2017年の私は、高雄にはこの正義宮のような外観の、

小さな廟がいくつもあることを知っている。

それらはマンションやビルの1Fに入っていたりする。

そして幾ら小さくとも大抵は、

表に廟の名前を掲げていることも分かっている。

しかし、この頃は、廟といえば、

独立して存在するものだと思っていたし、

そうでない所も知ってはいたけれど、

もっとこう・・賑々しく飾り物がある所しか知らなかった。

心の準備があるということは、無駄な力を使わずに済むということで。

この正義宮は、地元の知る人だけが訪れる

小さな小さな廟だった。

当然このようなところに観光客や、まして、

外国人など来るはずもなく。

集まっていた20人ほどの人々は、

みな地元の人間のようだった。

そして一様に珍奇なものでも見るような、

遠慮ない視線を浴びせて来るのである。

 

もっと大勢の人が出入りして、

神託を待つ人も大勢いて、

誰も私達を気にもとめないだろうと考えていたのに、

穴が空きそうなほど注視されている。

人に見られる事が大の苦手な私は

それだけで汗が出て顔が赤くなってしまう。

これらの全てがどれも予想外だった。

 

正義宮がひとめで廟とわかるような所であれば

せめてまず、私にも「心の準備」というようなものが

できたのだけれど、

逆に(え?ここ!?)から始まったその夜は、

心の準備どころか心にすきがありまくりのまま、

唐突にジェットコースターに投げ込まれ

いきなり走り出されたようなものだった。

この「心の準備の無さ」が、

あんなにも疲労してしまった

最初の原因につながっていたように思う。

 

じっと見つめられるというより、

機関銃を乱射されているような視線を浴びながら、

土産物屋の黄さんがまず拝拝をしろと私達を促がす。


線香を求めると、

先程熱視線を浴びせていた人々の中から

二人の老人が前へ出てきて、

私とTさんをそれぞれ1人づつ連れて

なんとか拝拝をして回らせて下さった。

私は日本語、老人は中国語と、

言葉は互いに通じ合わないのに、

何故か会話は成り立っている。


手にもった線香は13本。

初めに中から入り口の外に向かって線香をかかげ、

手を振りながら3度頭を下げ礼をし線香を立てる。

そして右回りに土地公など各神々へ

同じように何度も礼をしながら、

それぞれに線香を立てていく。

 

そして最後に今日が誕生日であるという

玉皇上帝こと天公に何度も頭を垂れた。

最初の異変が始まった。

しかし、そのとき私には既に異変が起こリ始めていた。


拝拝をし始めてすぐより、徐々にすぅっと、

自分の意思とは関係なく、

「世界が遠くなり」はじめていた。

 

一歩歩くごとに、どんどんと、

肉体の内側から薄皮をはがすかのごとく、ぺりぺりと

肉を持たない私の「霊的な中身」だけが剥がされていく。

 

やがて、足元でだけ肉体と繋がっているような・・

蝉が蛹から脱皮しているように、

殆どが外へ剥がれでてしまっている状態となり、

私は、老人に連れられて歩き、話し、

そして拝んでいる私自身の肉体を

後頭部の方から「眺め」ていたのだった。

(あぁ 「飛んで」しまう・・・)

 

それは、例えば、オカルト的に言えば、

幽体離脱をしかかっているとでもいうのにも似た状態で、

心理学的に言えば、「離人症」という状態にも似ていた。

私は完全に2つの私に分離しかけていて、

それらはシャム双生児のように

ただ一点で繋がっているに過ぎなかった。

 

私は自分を手放してはならぬと、

ぐっと強く自分の手のひらに鋭く爪を立て握った。

手のひらに傷を付けその刺激で

己を自分の肉体の中へ押し戻そうとしたのだ。



(普通にしなきゃ ・・普通にしてなきゃ・・)

少しでも気を抜けば、

今にも私は自分を運ぼうとする圧倒的な力に、

この身体を明渡しそうになっていた。


(しっかりするんだ・・・
祭壇の前から離れるんだ・・・)

しかし 私の肉の体は泥のように重くなり。

 

ただ手のひらにキツくキツく爪を立てる以外

言うことを聞かなかった。

 

頭は何かを被せられたようにぼーんとしている。

爪の先で傷づいている筈の皮膚の間隔すら遠のいていく。

 

(はな・・れなきゃ・・・)

 

けれど、麻酔をかけられたように、

私の足はもはや動かなかった。

 

《第十一章に続く》

 

 

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