【七草粥の始まり】七種の野菜で”人類の誕生日”を祝う!~初七・人日節~
五節句を知っていますか?
お節句というと、3月3日のひな祭りと5月5日のこどもの日がまず思い浮かぶのではないでしょうか。
日本では重要な年中行事の節目として、年に5回節句がありました。
特に江戸時代には公的な節会(行事)と定められましたが、明治の改暦の際に節会は廃止になり、その後5月5日のみが祝日として残されました。
そして、節句の由来は
節句(せっく)は、古代中国の陰陽五行説を由来として日本に定着した暦[要出典]。伝統的な年中行事を行う季節の節目(ふしめ)となる日。節供(せっく)、古くは節日(せちにち)とも[1]。
現代の中華文化圏でもこの5回の節句=節日は行われております。
元々の五節句は以下の通りです。
はい、この辺でピーンと来られた方、正解!そう、人日節は日本的に言えば、七草粥の日なんですね。
この前食べたばっかじゃん!(皆様のお声)
※この記事は2021年に書かれたものです。
もちろん、悪くはないですよ!でも、開運という意味で考えたら、ね?
そもそも、人日節は、人が作り出された日、なのです。つまり、人類のお誕生日。それを頭に置いて、神様に感謝をし加護を祈る・・大事ですよね。
「ハヌルさん・・・また何か変なこと言い出したぞ・・?」という皆さんのお声が聞こえてきそう〜〜汗
女媧・・生物を作り出した女神
漢代の東方朔「占書」に、次のようにあります。
農曆新年的首八天為人類和不同畜牧作物的生日,依次序為「初一是雞,初二是狗,初三是豬,初四是羊,初五是牛,初六是馬,初七是人,初八是穀。
伝説によれば、女神である女媧は動植物と人間をこのような順で作ったそうです。1日目が鶏、2日目が犬、3日目が羊、4日目が豚、5日目が牛、6日目が馬、そして7日目に人間を作り出しました。(上の「占書」には、8日目は穀物が作られたとありますが、実は10日目までお誕生日は続きます。)
それぞれの作られたとされる日を誕生日とし、その日は当該の動物を殺傷することは避けられました。初七(7日目)を人の誕生の日として”人日”とし、この日には犯罪者を処刑することも行われず、人勝節(人勝については下の方を参照)または七元節と呼ぶようになったとのことです。そしてこの日に、七寶羹を食べ今年1年の運を寿ぐ習俗が中原から伝わり、それが日本へ渡って七草粥になったのです。
そう、七草粥の伝統は伝わったけれど、公式行事として行われていた節会も無くなり、私達は何故それを食べるのか、も忘れてしまったのです。その上、現在ではなぜか二十四節気等に興味ある方や旧暦生活な方でも、この行事を日本独自のオリジナルなものだと勘違いされていたり、不思議なことになっています。
例えば、日本式の、はこべ、ホトケノザ等々で七草粥にしたとしても、そもそも本来、旧暦の1月7日に食べるのが節会としての伝統です。
もしも暦を活かした生活をと考えるなら、新暦の7日に、スーパーで売られているそれらで粥にしていただくことより、出てきた春の若芽を摘んで今食べて頂くほうが、そぐっている気がします。
開運の基本は時節に合わせる、です。(そのために、今年はこうして、旧暦行事の元になっている農暦行事記事を書いています。)
そして、そう考えるなら、節句の意味もわかったところで・・・
せっかく食べて開運するなら、元来作っていた植物が知りたい! ですよね〜。
古代の七種類、現代の七種類
南朝の学者宗懍が表した「荊楚歲時」には、古来の七草が記されています。
- 豌豆(エンドウ)
- 芹菜(せり)
- 菠菜(ほうれん草)
- 生菜(高菜)
- 蘿蔔(大根)
- 芥蘭(カイラン)
・・ん?1個足りない・・。はい・・・。さらにもうひとつ「筍芹」という植物が書かれているのですが・・・・。
残念なことに・・・・この「筍芹」が現代ではどの植物を指しているのか、同定にはたどり着けませんでした。同じ名称で呼ばれる植物は一応現代にもあるのですが、どうも違うようです。
もしかしたら現代ではまったく違う呼び方をする植物なのか、はたまた。台湾と中国では同じ野菜でも違う名前で呼ぶことはよくありますから(さらに大陸内でも違う呼び方をするのもよくあること)、実はよく知っている植物なのかもしれません。
何にしろ、書物に書かれた一番古いだろう七寶羹の材料は上記のものとなります。
ですので、古代が一番!という方は、「筍芹」以外の材料でレッツチャレンジしてください。
「芥蘭(カイラン)」は中国野菜なので、なかなか売っていませんが(福岡ではマリナタウンの食品売場で売ってるのを以前見ました)、それを元に作られたブロッコリー「スティックセニョール」というものがスーパーで売っていますので、そちらを使っても良さそうです。
羹というのは、とろみスープのこと。基本的に上記の野菜を食べやすく切り、煮てスープにしていただきます。地方によっては、長寿と金運アップの縁起担ぎで麺を入れて食べるそうです。
日本式にお米を入れてお粥や雑炊になさってもいいですね。(その場合名前は七菜粥になります。)
共通して使われる植物、ナズナ、芹
ところで、現代の中華文化圏で、七種類の植物も、固定的に決まっているものではありません。それは気候が地方で違いますから、とれる植物に差があるからでしょう。ただし、違いがあるといえど、共通して使われる植物ももちろんあります。例えば、ナズナと芹。これは、日本だけでなく、各地で人日の料理に使われています。
主に、福建や台湾で食べられている七寶羹に使われる野菜をイラストにまとめてみました。これらの材料も、どれも、縁起の良い意味を持った野菜たちです。こちらのほうが、日本で手に入りやすいと思います。
味付けはお好みで作っていただければ大丈夫!ぜひ、人日節には、この材料で熱々スープを作り、神様に私達人間が生まれたことへの感謝のお供えをし、お食事をなさってみて下さい。
中華圏では開運するための食材にはこだわりますが、調理法や味付けにはそんなに厳しくありません。とにかく材料が大事!縁起の良い食材であやかる!なのです。(地方によっては、「お金が”余”る」と同音の「魚」を七寶羹に入れて作る人もいるくらいです。)
作り方の参考にこちらの動画をどうぞ。(中国語ですが料理なので、言葉がわからなくても、分かると思います。)
人日節にすると良いと言われること。
人日節当日の天気が良ければ、その年は動植物の生育が盛んで、平安な良い年になると言われています。逆に、曇や雨は凶兆に。
この日行うことは・・・
・年配の方は高い所に登る。
・神さまへお参りに行く。(とくに女性)
・花を鑑賞したり花見をしたり、花を贈る。
そして何よりもちろん七寶羹を供える、食べる!
節句の際に高い所へ登るのは、よく行われます。例えば重陽節にも、登高があります。これは、高い所のほうがより清浄な気に満ちていると考えられているからです。
他に、人日に行う開運法もあるのですが、まず!上記を行うことが第一歩。次のステップは、今年1年農暦開運法を行った後に、記事にしたいと思います。
七寶羹のアレコレ話。
ここからは興味のある方だけどうぞ。
古く広州ではこの日は、七種の植物を入れた煎餅を焼き、七寶羹を作りました。
煎餅は日本の煎餅とは別物で、分厚いクレープのようなパンケーキのようなものです。それを露天で作り香りと煙を天に届けていました(薫天)。また、元々七寶羹はラクダの蹄スープで、竈の中で焼かれたものでした。オーブン焼きのオニオングラタンスープみたいな?そんなイメージです。アッツアツですね!人日が火の誕生日であると考えられた説もあるので、そのせいかもしれません。
七寶羹の七寶は、「 土・水・火・風・識・見・空」を意味し、漢末期に入ってきた仏教から影響された名前です。菜食を好む仏教の影響からか今は、人日に煮て食べる七草の料理名になったようです。
人日の習俗は魏晉以後重視されるようになりました。1月7日当日、古人は頭に「人勝」という被り物をしました。それが晉朝には金箔や美しい綾を花や人の形を切り抜いたものを屏風に貼ったり髪に飾るようになりました。群臣たちがこの日は頭を飾っていたようなので、かなり華やかでしたでしょうね。この日を「人勝節」と呼ぶのは、この飾り物から来ています。
そして、唐代に日本に伝わった「人勝」が、正倉院に残っているんですよ!
中国・南朝時代、正月七日に長寿や子孫繁栄を願って、色絹や金箔を切り抜いて人や花の形を作り、屏風に貼ったり、髪飾りにしたりして贈り物にした。これが人勝で、唐代の宮廷で流行し、奈良時代に日本にも伝えられた。天平宝字元年(757)年に人勝2枚が東大寺に献納されたとの記録があり、出陳の品は、吉祥句を表した1枚の断片と、木や草花、童子、小動物の尾などが描かれた1枚の残欠が張り合わされている。 主な出展宝物
人勝残欠雑張(2014年出陳)
— 【非公式】正倉院bot (@shosoin_bot) 2015年12月20日
正月7日の人日に用いられた飾り。人や動植物の形に切り抜いて彩色した絁、金箔の縁飾り等の残片を一枚に貼り込んでいる。 https://t.co/stWOiranGO pic.twitter.com/lzutUK62wJ
日本の宮廷でも、姫君や貴公子が屏風や髪に、キラキラの切り抜きを貼っていたのかと思うと、ちょっとときめきませんか?(何のためにそれをするかって?もちろん、開運です!)
今年最初のお節句の日に、ぜひ 七寶羹を食べて、運気を上げていきましょう。
追加
今日初六は、送窮です。
今年は詳細を書きませんでしたが、来年は初六についても書きますね。
送窮は、簡単に言うと、貧乏神を家から送り出す日。できる人は、溜まってるゴミがあれば捨てる、ダンボール、不燃物が出せる日なら出そうね。家の中から窓や外に向かって拭いたり、掃き出しして、貧乏神とさよなら〜。
— 霊能者 火水ハヌル@農暦的生活 (@hanuru_) 2021年2月17日
手持ちの農暦から一部抜粋と、台湾で教えていただいたものを書いておりますが、そのままでは現在の日本で行う事が難しいものは、少し改変してあります。
できるだけ、今後も、日本の皆様にとって、難しくなく身近で行える開運法をお知らせするようにしていく予定です。
次回も、まだまだお正月は続きます。
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